頽廃
こんな風になりたくないなあと思ってた
こんな風になりたくないなあと思ってた
こんな風になりたくないなあと思ってた
はずなのにこんな風になってしまった
去年は最低だった
何もかもが最低だった
車から流れる景色が気持ち悪かったし
道を覚えてしまうのが情けなかったし
名前が分からないのが悲しかったし
断り切れないのが悔しかったし
条件つけた自分が腹立たしかった
ばかみたいに高いお寿司とか
ばかみたいに高いお肉とか
すごく美味しかったけど
わたしはファミレスで充分だった
お子様ランチで充分だった
肉のお寿司おいしかったけどね
ああつまんないなあと思いながらお喋りして
ああつまんないなあと思いながらご飯食べて
ああつまんないなあと思いながらお酒飲んで
ああつまんないなあと思いながら天井見て
ああつまんないなあと思いながら終電で帰る
あの頃のわたしは
ばかになっちゃえば良かったのに
結局あれこれ余計な思考働かせて
ちゅうとはんぱな人間になって
どんなに夜が続いて欲しくても
左に針を巻き戻す努力もしなくて
終電で帰る必要はないのに
始発を待つ余裕がなかった
手ぶらで路地裏を逍遥していた
戻りたいと思っても
戻れない所まで来てしまっている
結局あの店でデザートは食べたんだっけ
何を選ぶのか正解か
本当はちゃんと分かってたんだけど
認めたくなくて
何を選ぶのが正解か
本当はちゃんと分かってたんだけど
それを選んでも自分の幸せに繋がらない
どうしようもなく途方に暮れて
焦って焦って走って走って
こんなにも迷った挙句出した答えが
間違いなんてそりゃないだろ